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26 — LEGENDS

都市伝説と怪談

超高層ビルが並ぶ大手町の一角に、動かすと祟りがあると恐れられてきた塚があります。江戸の町を守る不思議な仕掛け、四谷怪談のお岩さんの本当の姿、国会議事堂の地下の秘密。東京で語り継がれる伝説と都市伝説を、史実との境目を示しながら紹介します。

ラベルの意味:史実記録で裏づけ 有力説多くの研究・資料が支持 伝承言い伝え 都市伝説噂・地元の語りぐさ

大手町の将門の首塚

史実平安時代の940年、関東で朝廷に反旗を翻した平将門は討たれ、その首は京都でさらされました。千代田区大手町のオフィス街の一角にある将門塚は、将門の首をまつったと伝えられる場所です。

都市伝説

「動かすと祟りがある」

関東大震災のあと、首塚の上に大蔵省の仮庁舎を建てたところ、大臣や役人が相次いで亡くなった。戦後、GHQが塚を壊して駐車場にしようとした際にも、ブルドーザーが横転する事故が起きた――と語られ、「首塚を動かすと祟る」と恐れられてきた。

史実

大切に守られてきた塚

大蔵省の仮庁舎が建てられたことや、関係者が亡くなったことは記録にあるが、祟りとの関係を示すものではない。塚は地元の人々によって守られ、2021年に改修されて今も花や線香が絶えない。周りのビルの窓が塚にお尻を向けないよう配慮されている、という話も語られている。

伝承

「首が京都から飛んで帰ってきた」

京都でさらされた将門の首は、夜な夜な目を見開き、胴体を求めて叫び、ついに関東へ向かって空を飛んだ。その首が落ちた場所が、今の首塚だ――という伝説が残る。

有力説

将門をしのぶ人々の塚

首が飛んだというのは伝説だが、将門は関東の人々から、朝廷に立ち向かった英雄として慕われていた。首塚は、そうした人々が将門を供養した場所だと考えられている(寺社の部屋)。

江戸を守る「鬼門」と「五色不動」

史実江戸城の北東、鬼門の方角には寛永寺が、南西の裏鬼門には増上寺が置かれました。寛永寺が京都の鬼門を守る比叡山延暦寺にならって建てられたことは、記録にもはっきり残っています(上野の部屋)。

都市伝説

「五色不動が江戸を結界で守る」

目黒・目白・目赤・目黄・目青の5つの不動尊は、天海が江戸を守るために五行思想に基づいて配置した「結界」だ――という説が広く語られる。

有力説

「五色」は後から整えられた?

5つの不動尊は実在するが、目黄不動は2か所あるなど、成り立ちははっきりしない。「五色不動」という呼び方が広まったのは江戸時代の後期以降とされ、天海による配置を示す史料はない。

四谷怪談のお岩さん

伝承

夫に裏切られ、幽霊になったお岩

鶴屋南北の歌舞伎『東海道四谷怪談』(1825年)では、夫の伊右衛門に毒を盛られて顔が崩れたお岩が、幽霊となって夫に復讐する。日本で最も有名な怪談の一つ。

有力説

本当のお岩さんは、良妻だった?

四谷には、実在した田宮家のお岩をまつる「於岩稲荷田宮神社」がある。神社の伝承では、お岩は夫婦仲がよく、家を立て直した良妻で、その信心にあやかろうとした人々がお参りしたという。怪談は、南北が実際の事件などを組み合わせた創作とされる。四谷怪談を上演する役者は、今もこの神社などに参拝するのが習わしである。

本所七不思議

伝承江戸の墨田区あたり、本所には「本所七不思議」と呼ばれる怪談が伝わっています。釣った魚を持ち帰ろうとすると、堀の中から「置いてけ、置いてけ」と声がする「置いてけ堀」、誰もいないのに祭り囃子が聞こえてくる「馬鹿囃子」、真夜中に灯りが遠ざかっていく「送り提灯」など。今も墨田区の各所に、七不思議の説明板が立っています。

国会議事堂の地下通路

都市伝説

「永田町の地下は迷路になっている」

国会議事堂の地下には秘密の通路が張りめぐらされ、首相官邸や地下鉄の駅までつながっている――という話がささやかれる。

史実

地下通路は実在する

国会議事堂と、道路をはさんだ衆議院・参議院の議員会館は、実際に地下通路で結ばれていて、議員や秘書が日常的に使っている。ただし、官邸や地下鉄まで秘密の通路がつながっているという話は、確かめられていない。

将門塚
将門塚千代田区大手町
於岩稲荷田宮神社
於岩稲荷田宮神社—

主な参考資料:千代田区「将門塚」/神田明神/於岩稲荷田宮神社/墨田区「本所七不思議」/参議院「国会議事堂」

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