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17 — LEGENDS

伝説と都市伝説

山深い飛騨には、不思議な話がたくさん伝わっています。地震で一夜にして消えた城に眠る黄金、皇室にゆかりの深い聖なる山とピラミッド説、都の絵師と知恵比べをした匠、あの名工は飛騨の生まれだったという話。史実との境目をはっきりさせながら、楽しんでみましょう。

ラベルの意味:史実記録で裏づけ 有力説多くの研究・資料が支持 伝承言い伝え 都市伝説噂・地元の語りぐさ

帰雲城の埋蔵金

史実1586年1月の天正地震で、白川郷の帰雲城は山崩れに埋まり、城主・内ヶ島氏の一族は滅びました(白川郷の部屋)。城があった正確な場所は、今も分かっていません。

都市伝説内ヶ島氏は領内の金山で富を蓄えていたため、土砂の下には莫大な黄金が眠っている――という「帰雲城の埋蔵金」の話は、テレビ番組や雑誌でたびたび取り上げられてきました。

都市伝説

「黄金が土砂の下に眠る」

城ごと埋まった黄金を探そうと、多くの人が白川郷を訪れた。埋蔵金を題材にした本や番組も作られている。

史実

話が広まったのは1970年代

埋蔵金の話は、古くからの地元の言い伝えではなく、1970年代に新聞などで取り上げられて広まったものとされる。城跡も黄金も、見つかってはいない。

位山 ― 聖なる山とピラミッド説

伝承高山市と下呂市の境にそびえる位山(くらいやま)は、飛騨一宮・水無神社の奥宮がまつられる聖なる山です。この山のイチイの木で作った笏(しゃく)を朝廷に献上したところ、その功で「一位」の位を授かり、木の名も「一位(イチイ)」になった、と伝えられます(工芸の部屋)。

都市伝説位山の山中には、「天の岩戸」と呼ばれる巨石など、不思議な形の岩が点在しています。そこから、位山は古代人がつくったピラミッドだ、超古代の文明がここにあった、という説が語られることがあります。巨石は自然の地形によるものと考えられていますが、神秘的な山の雰囲気が、こうした話を生んできました。

1586天正地震で帰雲城が埋まる
1970年代埋蔵金の話が広まったとされる時期
一位イチイの名の由来とされる位

飛騨の匠と絵師の知恵比べ

伝承平安時代の『今昔物語集』には、飛騨の匠と、都の名絵師・百済川成(くだらのかわなり)の知恵比べの話があります。匠が建てた小さなお堂に川成が入ろうとすると、四方の扉がひとりでに開いたり閉じたりして、どうしても中に入れません。仕返しに川成は、自分の家の戸に腐った死体の絵を描いて匠を驚かせた――という話です。人々は二人の腕前をたたえたと語られます(匠の部屋)。

左甚五郎は飛騨の生まれ?

伝承日光東照宮の「眠り猫」などを彫ったといわれる伝説の名工・左甚五郎。その出身地については各地にさまざまな説があり、飛騨の生まれだとする話もあります。「飛騨の匠」の技の伝説が、名工の物語と結びついたのかもしれません。

史実ただし、左甚五郎が実在した一人の人物かどうかも含めて、その生涯ははっきりしていません。各地に残る「甚五郎作」の彫刻の多くは、名工の伝説にあやかったものと考えられています。

ここを見る:飛騨一宮水無神社

高山市一之宮町の飛騨一宮水無神社は、位山を神体山とする飛騨の一宮です。境内には大きな杉の木が立ち並び、厳かな雰囲気に包まれています。この地域は、映画『君の名は。』に登場する神社の名前のモチーフになったともいわれ、ファンも訪れます。

帰雲城址の碑
帰雲城址白川村保木脇
飛騨一宮水無神社
水無神社高山市一之宮町

主な参考資料:白川村「帰雲城」/飛騨一宮水無神社/『今昔物語集』巻24/高山市「位山」

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