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09 — FOOD
ホタテ・大間マグロ・せんべい汁
三方を海に囲まれ、冬は深い雪に閉ざされる青森。その食卓には、海の恵みと、長い冬を越すための知恵が詰まっています。一本3億円を超えたマグロから、鍋に入れるせんべい、ホタテの貝殻を鍋にする料理まで。青森の味の物語です。
ラベルの意味:史実記録で裏づけ 有力説多くの研究・資料が支持 伝承言い伝え 都市伝説噂・地元の語りぐさ
陸奥湾のホタテ
史実陸奥湾は、日本有数のホタテの産地です。天然のホタテは年によってとれる量が大きく変わりましたが、1960年代に、海中に稚貝を集めて育てる養殖の技術が確立され、安定してとれるようになりました。青森の人にとって、ホタテは特別な日のごちそうではなく、ふだんの食材です。
史実津軽や下北の家庭料理「貝焼き味噌」は、大きなホタテの貝殻を鍋の代わりにして、だしと味噌で具を煮て、溶き卵でとじたもの。病気の時にも食べる、ふるさとの味です。
大間のマグロ
史実下北半島の先端、大間の漁師は、津軽海峡を回遊するクロマグロを、一本釣りやはえ縄でとります。大間のマグロは、東京の豊洲市場の初競りで毎年のように最高値をつけ、2019年の初競りでは、278キロの一本が3億3,360万円で競り落とされました(下北の部屋)。
せんべいを、鍋で煮る
史実南部地方の八戸では、小麦粉を焼いた「南部せんべい」を、鍋の中に割り入れて煮込みます。これがせんべい汁です。汁を吸ったせんべいは、すいとんのようなもちもちの食感になります。専用の「かやきせんべい」まであり、江戸時代の後期には食べられていたといわれます。2012年のB-1グランプリで、最高賞のゴールドグランプリに輝きました(八戸の部屋)。
史実八戸には、ウニとアワビを使ったお吸い物「いちご煮」もあります。いちごは入っていません。お椀の中のウニが、朝もやの中の野いちごのように見えることから名づけられました。
冬を越す知恵
史実津軽の「けの汁」は、大根、にんじん、ごぼう、わらび、ぜんまいなどの山菜、凍み豆腐を細かく刻んで、味噌で煮込んだ汁です。小正月に大鍋で作り置きし、女性たちが正月の料理づくりから少し休めるようにした、とも伝えられています。
有力説青森市のおでんには、生姜味噌をかけます。戦後、雪の中を青函連絡船に乗り継ぐ人々の体を温めるために、屋台で出されたのが始まりという説が有力です。
ここを見る:「のっけ丼」
青森駅の近くの青森魚菜センターでは、まず食券を買い、ご飯だけが入った丼を受け取ります。それを持って市場の店を回り、好きな刺身を少しずつ「のっけて」いくのが「のっけ丼」。自分だけの海鮮丼ができあがります。


主な参考資料:青森県「あおもりの食」/青森県漁業協同組合連合会/八戸せんべい汁研究所/青森魚菜センター/東京都中央卸売市場