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博多弁と博多っ子
「好いとうよ」。博多弁の告白の言葉は、全国の「かわいい方言」ランキングの常連です。けれど博多弁の面白さは、かわいさだけではありません。語尾ひとつで、聞いているのか、確かめているのか、念を押しているのかが変わる、細やかな言葉なのです。
ラベルの意味:史実記録で裏づけ 有力説多くの研究・資料が支持 伝承言い伝え 都市伝説噂・地元の語りぐさ
語尾で決まる博多弁
史実博多弁は、九州北部の方言の中でも「肥筑方言」に属する言葉です。いちばんの特徴は語尾にあります。
史実「〜と」は、標準語の「〜の」にあたり、「なんしようと?」(何をしているの?)、「どこ行くと?」(どこへ行くの?)のように、問いかけにも、「好いとうと」(好きなの)のような言い切りにも使います。「〜けん」は「〜から」、「〜ばい」「〜たい」は「〜だよ」と念を押す言い方です。
史実「〜しよう」は今まさに何かをしている進行中、「〜しとう」はすでにそうなっている状態を表します。「雨の降りよう」は「雨が降っている(最中)」、「雨の降っとう」は「雨が降った(あとで濡れている)」というように、標準語の「〜している」を二つに使い分けるのです。
よく聞く博多弁
史実 「好いとう」は「好きだ」、「ばってん」は「だけど」、「よか」は「良い」。若い世代がよく使う「ちかっぱ」は「力いっぱい」が縮まった言葉で、「とても」という強調です。同じく「バリ」も「とても」の意味で、ラーメンの麺の硬さ「バリカタ」にも使われています(ラーメンの部屋)。
史実「とっとーと?」は「(この席を)取っているの?」という意味で、「と」が続く博多弁らしさがよく表れた言葉として知られます。「せからしか」は「うるさい、面倒だ」、「なおす」は「片付ける、しまう」の意味で、「これ、なおしといて」と言われて修理しようとする県外の人は少なくありません。
博多弁と福岡弁
有力説かつては、商人の町・博多の言葉(博多弁)と、武士の町・福岡の言葉(福岡弁)にははっきりした違いがあったとされます。博多弁は商人らしく丁寧で柔らかく、福岡弁は武家言葉の影響を受けていたと言われます。今では区別はほとんどなくなり、福岡市とその周辺の言葉をまとめて「博多弁」と呼ぶことが多くなっています(博多と福岡の部屋)。


「のぼせもん」の町
史実博多弁の「のぼせもん」は、何かに夢中になって熱中する人のことです。とくに山笠に熱中する人を指す言葉として使われ、7月になると仕事を休んででも山笠に打ち込む男たちが「山のぼせ」と呼ばれます(山笠の部屋)。
有力説新しいもの好きで、お祭り好き、人をもてなすのが好き。博多っ子の気質は、古くから外国の人や物を受け入れてきた港町の歴史や、町人が自分たちで町を治めてきた伝統と結びつけて語られることが多くあります。
ここを見る:「博多手一本」
博多では、宴会や会合の締めに「博多手一本」という手締めをします。「よーお」の掛け声に続けて「シャン、シャン」「もひとつ、シャン、シャン」「祝うて三度、シャシャン、シャン」と手を打ちます。手一本で締めたあとは、その場の話を蒸し返さないのが礼儀とされ、山笠の行事の締めにも使われます。
主な参考資料:福岡市「博多の言葉」関連資料/『博多ことば』(博多町人文化連盟編)ほか方言資料/国立国語研究所「方言の調査」関連資料