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10 — LEGENDS

伝説と都市伝説

眼鏡橋の石垣に隠れたハート形の石、「思案橋」という名の由来、出島が扇形になった理由、耳をつんざく精霊流しの爆竹。長崎で語り継がれる話を、史実との境目を示しながら集めました。

ラベルの意味:史実記録で裏づけ 有力説多くの研究・資料が支持 伝承言い伝え 都市伝説噂・地元の語りぐさ

眼鏡橋とハートストーン

史実中島川に架かる眼鏡橋は、1634年に興福寺の僧・黙子如定が架けた石造りのアーチ橋です。川面に映った二つのアーチが眼鏡のように見えることから、この名で呼ばれるようになりました。沖縄(琉球)の天女橋を除けば、日本で最も古い石造アーチ橋とされます。

史実1982年の長崎大水害では、中島川の石橋群が大きな被害を受け、眼鏡橋も半分ほどが壊れました。流された石材の多くは下流で拾い集められ、復元に使われています。

都市伝説眼鏡橋近くの川岸の石垣には、ハートの形をした石がはめ込まれています。「見つけると恋がかなう」「幸せになれる」と言われ、観光客が石垣を探して歩く姿がよく見られます。いつ、誰がはめ込んだのかについてはさまざまな話があり、はっきりしていません。

中島川に架かる眼鏡橋
眼鏡橋中島川
眼鏡橋近くのハートストーン
ハートストーン中島川

地元の語りぐさ、真偽チェック

伝承

「思案橋」の名の由来

花街・丸山へ行こうか戻ろうか、男たちがこの橋の上で思案したから――という話が広く知られる。橋はすでになく、今は電停と地名に名が残る。

史実

丸山は江戸有数の花街

丸山は江戸の吉原、京の島原と並び称された花街。出島のオランダ人や唐人屋敷の中国人のもとを訪れることも許されていた。

伝承

「扇を広げて出島の形を決めた」

島の形を尋ねられた役人が、将軍の前で扇を広げて見せたという話。出島の案内などでもよく紹介される。

有力説

地形と潮の流れに合わせた結果

確かな記録はなく、海岸線や川の流れに合わせて土地を造った結果、扇形になったとする見方が一般的(出島の部屋)。

都市伝説

「精霊流しは静かな行事」

「精霊流し」と聞くと、灯籠を川に流すしめやかな光景を思い浮かべる人も多いが、長崎では違う。

史実

爆竹と鉦の音の中で

8月15日の夜、故人の霊を乗せた精霊船を家族や仲間が引き、爆竹を鳴らしながら町を練り歩く。耳栓が欠かせないほどのにぎやかさで、故人を明るく送り出す。

くんちの「もってこーい」

史実長崎くんちは、1634年に丸山の遊女高尾と音羽が諏訪神社に謡曲「小舞」を奉納したことが始まりとされます。毎年10月7日から9日まで、7年に一度回ってくる当番の町(踊町)が出し物を奉納します。観客がアンコールのかわりに叫ぶ「もってこーい(持って来い)」「ショモーヤレ(所望やれ)」の掛け声は、くんちの名物です。

伝説が教えてくれること

ハートストーンは新しい語りぐさ、扇形の話は江戸時代からの言い伝え。長崎の伝説には、異国と交わり続けた町ならではの遊び心が、いつの時代にも込められているようです。

主な参考資料:長崎市「眼鏡橋」/長崎伝統芸能振興会「長崎くんち」/長崎市「精霊流し」

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