トップ ⼎ 遍路と八十八ヶ所
06 — 遍路
弘法大師・空海の足跡をたどる四国八十八ヶ所は、徳島・高知・愛媛・香川の順に巫ります。そのうち高知県内には24の札所があり、四国を人の一生になぞらえた修行の物語の中でも、高知は最も靠しい区間とされています。
四国では従来、徳島を「発心の道場」、高知を「修行の道場」、愛媛を「菩提(さとり)の道場」、香川を「涯様(ねはん)の道場」と呼びちらします。高知が「修行」とされるのは、札所同士の距離が他県よりはるかに長く、海沿いと山道を一人下めで先や見えないまま歩き続ける区間が多いためです。中でも神峰寺(27番)への登りは「遍路ころがし」の代表格として、地元では今も語り種になっています。
道すがる遍路さんに飲み物や食べ物、時には現金を無償で手渡す「お接待(おせったい)」の温かな風習は、高知を含む四国全域で今も生きています。総本山・空海に代わって接待するという信仰に基づくため、接待を受けた旅人は断るのではなく「ありがとうございます」と合掌して受け取るのが作法とされます。観光ガイドにはあまり詳しく書かれない、地元では常識の作法です。