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10 — 知ると、景色が変わる
時計台、テレビ塔、大通公園——札幌の定番スポットは、それだけで十分に楽しめます。けれど、少し足をのばすと、この街の成り立ちを物語る場所がいくつもあります。ここでは、地元の歴史好きが「ここは外せない」と勧める場所を、見どころの“一歩先”とともに紹介します。
都心から歩いて行ける
札幌駅から歩いてすぐの、都心の森。かつて湧き水「メム」があった場所で、園内には1882年に建てられた博物館の建物が、今も現役で残る。
玄人の目:初代園長は農学校二期生の宮部金吾。都心に原生の森の姿が残るのは、彼らが守ったから。
旧札幌農学校演武場。1881年から時を刻む、重りで動く時計。
玄人の目:建物は1906年に約100メートル南へ移されている。正面の赤い星と、正時の鐘の音を確かめたい。

1926年完成。札幌軟石の外壁が美しい、国の重要文化財。
玄人の目:玄関上の「目隠しをした法の女神テミス」像は、全国の控訴院で札幌にしかないといわれ、19歳の職人の作と伝わる。
第2代北海道庁長官・永山武四郎の私邸。明治の和洋折衷の住まい。
玄人の目:永山は「屯田兵の父」と呼ばれた人物。和室と洋室が一つ屋根の下に同居する、開拓期のエリートの暮らしが見える。
豊平館は1880年完成の開拓使の洋風ホテル。同じ公園内に、江戸初期の茶人・小堀遠州の作と伝わる茶室「八窓庵」がある。
玄人の目:八窓庵は大正期に滋賀県から札幌へ移築された。明治の洋館と江戸の茶室が、同じ公園で向かい合っている。
少し足をのばして
世界的な彫刻家イサム・ノグチが基本設計した「公園全体が一つの彫刻」。
玄人の目:ここはもともとごみの埋め立て地。ノグチは1988年に計画を手がけた年に亡くなり、公園は17年後の2005年に完成した。高さ約60メートルのモエレ山からは、札幌の扇状地と石狩平野が一望できる。

札幌軟石の石切場跡を生かした公園。切り出された岩肌と彫刻作品が一体となった独特の空間。
玄人の目:目の前の岩壁は、約4万年前の支笏の火砕流そのもの。周辺には軟石の古い倉が点在する。
1875年に入植した最初の屯田兵の住まいを伝える、国の史跡。
玄人の目:同じ間取りの家が整然と並んだ兵村の姿を想像しながら、周囲の街路の形も見てみたい。
開拓三神を祀る北海道の総鎮守。境内の開拓神社には、島義勇ら開拓の功労者が祀られている。
玄人の目:本殿が北東を向いている理由を都市伝説で確かめてから参拝を。境内の茶屋の焼き餅「判官さま」も忘れずに。

夜景で有名な山は、山全体が国の天然記念物「藻岩原始林」でもある。
玄人の目:展望台から見下ろすと、大通を軸にした碁盤の目と、扇状地の広がりがよくわかる。山の本来の名前については地名の謎へ。
明治から昭和初期の建物を移築・再現した野外博物館。
玄人の目:旧札幌停車場や、軟石・木造の商家、農家などが並ぶ。冬には馬そりが走ることも。開拓期の札幌を「歩いて」体験できる。
モデルコース
都心だけで、扇状地・開拓・学びの歴史をひととおりたどるコースです。
扇端の湧き水の跡と、明治の博物館建築。
サクシュコトニ川、クラークの胸像、古河講堂、ポプラ並木。
南へ戻り、大丸藤井セントラルで元祖の一杯を。
赤い星と鐘の音を確かめ、大友堀=住所の原点の川へ。
火防線を西13丁目まで。最後に目隠しの女神と札幌軟石の壁。
営業時間・休館日・入館料は変わることがあります。お出かけの前に、各施設の公式サイトで最新情報をご確認ください。
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乾いた大河か、葦原の川か。入れ替わった山の名、宮城と広島から来た町名。